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11. 26, 2005

自分で申請してみよう

 借りた時には永遠に続くと思われるほど長いと思っていた住宅ローンが、先月(2005年10月)無事完済になりました。
 ローンの時のお約束と言えば、住宅への抵当権設定。
 せっかく完済したのですから、抵当権も抹消しておきましょう。
 私は、この手続きを自分でしてみました。
 幸いな事に、管轄法務局は職場から自転車で十数分の場所にあります。
 法務局には「登記相談窓口」というものがあって、書類の書き方の相談にも応じてくれるそうなので、何回か通うつもりで挑戦してみました。

 このサイトのコンテンツとは異質の内容ですが、ここに、そのときの体験談と申請書記入時の注意事項を簡単にまとめてみました。
 ちなみに、私が必要書類を入手してから登記済証の交付を受けるまでの経過は次のとおりでした。

11月18日 (金)午後4時頃 必要書類を銀行から受理
11月19日 (土)午前中 申請書作成
11月20日 (日)
11月21日 (月)午後 登記相談(5分)
申請書提出
11月22日 (火)
11月23日 (水) 勤労感謝の日
11月24日 (木)
11月25日 (金)午後 登記済証受理(^^v

 正味、1日も掛からず手続き完了です。
 掛かった費用は、
 登録免許税      1,000円
 コピー代  30円×4枚=120円(法務局の有料コピー機)
 のみでした。

それは1か月後のことでした

 完済から1か月後、銀行から連絡があり、抵当権抹消登記に必要な書類を渡されました。
 「これらの書類で、抵当権抹消登記は可能です。司法書士のあてがなければ紹介します。料金は一万円前後掛かります。」
 完済した以上、「お客様じゃないよモード」に入っているためか、説明はあっさりしたもの。
 渡されたのは、「抵当権設定契約証書」と「抵当権者の委任状」、それと司法書士に依頼するときのための自分用の委任状用紙。
 聞けば登記所に支払うのは1,000円程度で、のこりは司法書士への手数料と言うことでした。
 司法書士とは余り縁のない私としては、銀行に誰かを紹介して欲しいところでしたが、個人でも抹消登記手続きができるという話を聞いて、挑戦してみることにしたのです。

 便利な時代になったもので、ちょっとネットを検索しただけで、自分で抹消登記をした体験談が数件見つかりました。
 そのうち、何件か閲覧してみたところ、問題が発覚しました。
 申請書様式がバラバラです。
 見慣れた縦書きタイプ打ちの申請書の他に、横書きワープロ打ちの申請書の記事もあります。
 更に検索すると、法務局ホームページに行き着きました。なんと、当然かも知れませんが、ここに最新の申請書様式とその詳細な記入方法が載ったファイルが、pdf、一太郎、そして word 形式で置かれていました。
 早速ダウンロードして作業を始めました。

 なお、私の抵当権設定の状況は次のとおりでした。

 抵当権設定は家屋のみ。
 家屋は共有。
 融資は銀行からで、系列の信用保証会社と保証委託契約を結び、その信用保証会社の抵当権が設定されていた。
 上記融資は借換で、新築当初は住宅金融公庫の抵当権(乙区一番)が設定されていたが、これを抹消し新たに抵当権(乙区二番)を設定した。

必要書類の入手

 まず、法務局ホームページから「抵当権抹消登記申請書 」をダウンロードします。現時点での置き場所は、[業務のご案内]−>[不動産登記申請]です。
 管轄法務局がオンライン庁であるか非オンライン庁であるか確認して、該当する様式を選択します。
 私の場合は、非オンライン庁でした。オンライン庁でも概略は同じだと思います。
 入手した申請書を開くと、「添付書類」という欄があります。これが申請に必要な書類の一覧です。何だか分かりにくい名称ですが、実は簡単な内容です。順を追って説明します。

添付書類 意味 入手先
登記済証 抵当権を設定したとき法務局から交付される書類。 金融機関から渡されます。
登記原因証明情報 抵当権が抹消となる原因を証明したもの。
弁済が完了したという抵当権者の証明。
金融機関から渡されます。
資格証明書 抵当権者の委任状に記された代表者の資格を法務局が証明したもの。 申請先の法務局と、抵当権者を管轄する法務局が同一のためか、金融機関から渡されなかったので添付しませんでした。
代理権限証書 委任状です。
抵当権者のものと、共有物件の場合には他の共有者全員のものが必要です。
抵当権者のものは金融機関から渡されます。
共有者のものは自分で作成します。
申請書の写し これから作成する登記申請書と同じものを1部添付します。
登記完了後、登記済印が押されて返却されます。
これが登記済証となります。
自分で作成します。

 このうち、手元には「登記済証」と「登記原因証明情報」が見あたりません。有るのは「抵当権設定契約証書」



と「委任状」



だけです。

 「登記原因証明情報」については、「抵当権設定契約証書」の最後のページに信用保証会社の「本抵当権の主債務は弁済により消滅しました」とのゴム印と証明印鑑が押されていたので、これではないかと推測できました。



 しかし、登記済証は有りません。
 これがない場合は、抵当権者の印鑑証明書の添付が必要となります。そんな重要なことを、金融機関が見落とすはずがありません。とはいっても困りました。

 実は、この時、私は「登記済証」とはこんな書類を想像していました。



 新築時に表示登記と所有権保存登記をしたとき、司法書士から受け取ったものです。

 心を落ち着けて、もう一度金融機関から渡された書類をチェックします。(とはいっても二種類だけですが)

 そして、先ほどの「抵当権設定契約証書」の最後から2ページ目に法務局の「登記済」という証明印を見つけました。



 「順位番号乙区2番」なんていうゴム印も見つけました。(抵当権は登記簿の乙区という欄に順に記入されます。同様に所有権は甲区に記入されます。)
 そうです、「登記済証書」ではなく「登記済証」ですから、登記済を証したものであって書類としての形は様々なのです。要は法務局の「登記済」という認証印が押されている書類が登記済証というわけです。
 結局、「登記済証」と「登記原因証明情報」は「抵当権設定契約証書」で足りると言うことでした。
 また、私の場合、「資格証明書」については、申請先の法務局と、抵当権者を管轄する法務局が同一のためか、金融機関から渡されなかったので添付しませんでした。もし必要なら、法務局の「登記相談窓口」で指摘されるでしょうから。
 なお、委任状や他の書類には明確な有効期限は有りませんが、資格証明書には「3か月以内に作成されたもの」という制約があります。私が金融機関から渡された書類は、完済日の日付け(約1か月前)で作成したもでしたので、有効期限については注意が必要です。

書類の記入

 金融機関から渡された委任状については、委任先の部分が空白になっています。そこに、申請者(自分)の住所と名前を記入します。手書きが嫌なので、こんなフリーソフトを使いました。使用する場合は試し打ちをしてから本番に望んでください。失敗するともう一度金融機関から発行してもらわなければなりません。(あくまでも使用は自分の責任で)
 共有者の委任状も、金融機関からのものを参考に作成しました。といっても、住所、氏名部分だけ変えれば良いだけです。使用する印鑑は認印で良いと思いますが、私は「抵当権設定契約証書」に使用したものと同じものを使いました。共有者が親族で同じ氏の場合でも、それぞれ別の印鑑を使用する必要があります。
 次に、登記申請書を作成します。
 ダウンロードしたファイルを元に書き換えていきます。
 記入内容は、登記簿に記載されているものと一字一句同じくなければいけません。必要なら、事前に物件の登記簿を取り寄せておきます。
 各項目の記入上の注意は、ダウンロードされたファイルに記載がありますが、それ以外の部分での注意点を整理しました。

項目 注意事項
登記の目的 抵当権設定番号は、設定時の通常登記済証の番号ですが、コンピュータ化にあたって、その時点で抹消済の登記は無視され番号が繰り上がっている場合があります。
原   因 登記原因証明情報記載の日付と原因を記入します。
権 利 者 抹消する権利のある者(自分)の住所と氏名を記入します。
共有の場合、氏名の前に共有割合を記入します。土地建物で共有割合が異なる場合は、不動産の表示欄にその割合をそれぞれ記入します。
印鑑は認印で良いようですが、私は「抵当権設定契約証書」に使用したものを使用しました。
義 務 者 抵当権設定者の住所等を正確に記入します。
添付書類 「申請書の写し」は添付することにしましょう。
登記済証を提供することができない理由 項目は残したままで、チェック不要です。
申請日、申請法務局 申請書を提出する日と提出先法務局を記入します。
申請人兼義務者代理人 自分のの住所と名前を記入します。
電話番号は携帯電話でも構いません。
登録免許税 1件1,000円です。
土地と建物の場合2,000円になります。
土地が二筆に分かれている場合は更に1,000円加算されます。抹消手続きをする登記簿の数と考えても良いでしょう。
不動産の表示 登記簿に記載されたとおりに正確に記入します。

 間違い易いのは、住所と地番、家屋番号の部分です。
 住所は「番地」ですが、地番、家屋番号は「番」です。
 土地と家屋の「所在」の記入の仕方の違いにも注意してください。
 また、住所や所在が住居表示の場合、数字の記入の仕方にも注意が必要です。通常「丁目」には漢数字が使われますが、番地には算用数字が使用されます。ただし、あくまでも登記簿記載のとおりに記入する必要があります。
 以上の注意を払って作成したのが、この申請書です。



 二カ所、先の注意点から外れています。
 ひとつめが、登記義務者欄の代表者名の記載漏れです。これは参考にしたホームページの説明を鵜呑みにした結果です。(様式の注意書きを見落としました。)
 ふたつめは、添付書類について「資格証明書」を添付しないため項目を削除しました。(これは故意)

 この時点で書類を整理し、法務局の「登記相談窓口」に出向きました。

持ち物
  • 申請書二通(どちらにも申請者印)
  • 抵当権者と共有者の委任状
  • 抵当権設定契約証書
  • 白紙数枚
  • 収入印紙 1,000円
  • 申請書に使用した印鑑
  • ホチキス
  • 小銭
  相談窓口での訂正覚悟、巧くいったらそのまま申請してしまおうという魂胆です。

登記相談と申請

 法務局の登記窓口の隅の一画に「登記相談窓口」がありました。
 先客が居なかったので、すぐに受付してもらえました。
 「抵当権抹消登記の申請書を作ってみたんですが、見ていただけますか?」(丁寧に、かつ、しおらしく。(^^;)

 担当官はやさしい応対で、ざっと書類に目を通した後、添付書類欄に「資格証明書添付省略」と記載することと、抵当権設定契約証書のコピーを付けること、また、書類の綴じ方を教えてくれました。
 その他は問題ないようです。
 ということは、抵当権設定契約証書のコピーさえ作れば、そのまま申請できると言うことです。
 法務局にはコインコピーが設置されています。コンビニのよりは割高の1枚30円でしたが、この場で申請できるなら安いものです。
 早速、いったん窓口を離れてコピーの作成です。コピー機を借り、契約書をコピーして、ホチキスで綴じて綴り目に割印を押します。そして最終ページに「原本の写しに相違有りません」と記入して(ゴム印が相談窓口にありました)氏名を記入し、押印しました。

 これで、必要書類がすべて揃いましたので、再び相談窓口に戻り、確認を受けながら書類を順に綴じます。収入印紙は白紙の真ん中に貼り、申請書とホチキスで綴じ、綴じ目に割印を押します。その後ろに抵当権設定契約証書のコピー、委任状の順に重ね、ゼムクリップで留めます。申請書の写しには、抵当権設定契約証書の原本をゼムクリップで留めます。(というか、途中から相談員の方が勝手に綴じてくれました。(^^;)

 「では、これをそこの申請窓口に出してください。」
 言われるままに窓口に出すと、登記済証の引替用紙を渡してくれました。
 25日の午後以降に、申請書に押したのと同じ印鑑を持って、登記済証を取りに来て下さいと言うことでした。







 もし、申請書に不備があったら申請書記載の電話番号に連絡するから補正(訂正)に来るように、連絡がなければ順調に手続きが進んでいると考えてください。との注意がありました。

登記済証の交付

 申請書は受理されましたが、初めてのことなので不安が残ります。
 指定日までの数日間、いつ補正の電話が来るか心配しながら過ごしました。ポケットにはいつでも印鑑を忍ばせておきました。

 さすがに、指定日の前日の午後あたりになると、胸の中ではガッツポーズです。

 そして、待ちに待った指定の日。
 引換用紙と印鑑を持って申請窓口へと出向きました。

 待つこと十数秒、戻ってきた担当者の手には、付箋の付いた申請書が見えます。
 胸中のガッツポーズの力が抜けた一瞬でした。

 「ダメか。」
 と思った私の耳に入ってきたのは、「登記は完了しました。二カ所ほど訂正部分がありましたが、子細なものでしたのでこちらで訂正しておきました。写しについては自分で直しておいてください。」との担当者の言葉。

 無事、登記済証を受け取ることが出来ました。



 申請書の写しに「登記済」の認証印が押されたものが登記済証。

 訂正のひとつめは、抹消する抵当権の順位番号。これは、抵当権設定時の登記済証には「順位2番」と明記されていましたが、コンピュータ化の時に、その時点で効力のない抵当権は無視され、その後の順位が繰り上がったためだそうです。それ以外の理由で順位番号が変わることは無いということなので、訂正は不可抗力みたいなものです。
 もう一つの訂正は、登記原因。「弁済」と記入したのですが、私の場合のように、債務者(銀行)と抵当権者(信用保証会社)が異なる場合は、「主債務弁済」だと言うことです。確認したところ「抵当権設定契約証書」の最後のページに押された信用保証会社の証明には、「本抵当権の主債務は弁済により消滅しました」と明記されていました。

 結局、登記義務者の代表者名の未記入はおとがめなし、また、このページを作成中に委任状の「後記」と書くべきところを「後期」と書いていた誤りを発見しましたが、これもスルー。
 もっとも、今後何があろうが「登記済証」の交付を受けたらこっちのもの!(^^v



 抵当権設定時の登記済証には、「抹消済」の印が押されて返ってきました。