sleepingbird.net Home since Sep.23 2003
Copyright sleepingbird, 1993- All rights reserved.
Laboratory

TOP > Laboratory > blaster

9. 23, 2003

blaster感染実験

 2003年8月、猛威をふるった blaster だが、たまたまハードディスクがクラッシュし、OSの再インストールが必要となったことから、脆弱性の fix 前に感染させてみた。
 確認できたことは、

  1. blaster に感染しても、すぐにシャットダウンのカウントダウンが始まるわけではない。運がよければ、通常どおり PC を操作し続けることができる。
  2. 続いて Nachi に感染させたところ、blaster は消滅した。ここでも、やはり即時にシャットダウンのカウントダウンは始まらなかった。、
 従って、各所で報じられているように、感染後は起動とともにシャットダウンのカウントダウンが始まり、起動と再起動が絶え間なく繰り返される分けではなかった。もともと、シャットダウンという症状は、このワームの本来の機能ではなく、作成者が予期しなかったであろう副次的な機能なので、常に発症するわけではないようだ。そのため、自己の PC が感染している事に気づかず、未対策のまま放置されている PC が多い様だ。

 なお、シャットダウンのカウントダウン発症時のダイアログをキャプチャしたので下に示す。このカウントダウンが 0 になる前に 'スタートメニュー -> すべてのプログラム -> アクセサリ -> コマンドプロンプト' を起動し、コマンドラインから 'shutdown -a' を実行すればシャットダウンを回避できるので、その後所定の駆除作業を行う。

blaster.JPG

12. 30, 2003

blaster感染実験 2

 年末年始休みを利用して、再度 blaster 感染実験を行ってみた。また、blaster を駆除し OS にセキュリティパッチあて、2004年とともに自ら消え去るという nachi も試してみることにした。

 手順は次のとおり。

  1. 予備のハードディスクをフォーマットして、Windows 2000 Professional をインストールする。なお、ここで使用する CD はリリース直後のアップグレード版なので、修正 patch は何も当たっていない。
  2. 画面キャプチャ用に winshot とパケットモニタ用に TCP Monitor plus をコピーしスタートアップに登録しておく。
  3. 感染時の特徴が確認できるように、感染前のフォルダとレジストリキーの内容をを確認しておく。
  4. 実際の感染経路を再現するために、msblaster.exe を windows\system32 フォルダに置き、実行し観察する。
  5. 次に nachi を 同様に windows\system32 フォルダに置き、実行し変化を確認する。
  6. PC のカレンダを 2003 年 12 月 31 日 23 時 59 分まで進め 2004 年に変わった時点を観察する。
  7. セキュリティ専門サイトの報告どおり nachi が消滅したら、再度 blaster を上記3により感染させる。
 インストール直後に windows update に接続して、必要なモジュールの確認をした。
 少し見づらいが、画面左側には、「重要な更新と Service Pack (7)」、「Windows 2000 (5)」、「ドライバの更新 (1)」と表示され、修正パッチがいっさい適用されていないことが確認できる。


 実験に使用した blaster.exe。
 サイズは、6,176 byte。
 入手は某サイトのダウンロードサービス。
 nachi は、10,240 byte を確認。


msblast 起動



 起動と同時に、ランダムな IP ADDRESS に対する port 135 接続要求が始まった。


 また、レジストリエディタで確認すると、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run に windows auto update"="msblast.exe が追加されていた。

nachi 起動



 nachi が稼働を始めると同時に msblast が稼働プロセスから消え、windows\system32 フォルダからも削除された。
 レジストリエディタで確認すると、msblaster が追加した上記キーに変化は無かったが、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services に、 RpcPatch と RpcTftpd が追加されていた。

カレンダを進める

 時計が 2004 年に変わっても nachi に変化は見られなかった。しばらく様子を見ていたが、やはり変化が見られないので PC を再起動した。
 再起動直後にタスクマネージャを起動してプロセスを確認すると、一瞬 nachi のプロセス名である DLLHOST.EXE が確認できたが、すぐに終了してしまった。
 しかし、上記レジストリの値は残ったままだった。

blaster 再感染

 nachi が消えたので、blaster を windows\system32 にコピーし起動してみた。
 即座に port 135 への接続要求が始まった。やはり、nachi が居なくなると blaster は再感染可能だった。
 ここで、再度 nachi を感染させてみたところ、blaster を駆除した後、すぐに消滅した。
 なお、再確認はしていないが、カレンダーを進めるとき手違いで 2003 年から 2005 年まで進めてしまったところ、nachi は稼働したままだった。
 また、この実験中、OSに不安定な状況は発生することはなかった。

考察

 この後、WindowsXP でも実験してみたが、9月の実験時と同様に簡単に OS の再起動が発生した。不安定になるのは XP の方が 2000 より顕著の様だ。また、nachi よりも blaster の方が再起動の発生頻度が高い。
 何れにしても、PC のカレンダーが 2004 年になれば nachi は消滅する。本来 nachi は OS にセキュリティパッチを当ててくれるはずなのだが日本語版には対応できていない。従って、セキュリティパッチを適用せずに nachi に感染していたおかげで blaster による再起動を回避していた PC は、2004 年とともに blaster に感染することとなり、PC の再起動騒ぎがまたやってくるかも知れない。
 蛇足だが、日本語版以外の Windows でもレジストリ値などは nachi は治してはくれないので、各セキュリティ専門サイトの駆除ツールを使用する必要がある。